今日の中尉 #336 ちび子中尉の一大事
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先週金曜日の正午から週末いっぱい
ちび子中尉 一大事だった
カナダでは 今日、22日の月曜日は Victoria Day という祝日
その連休前の金曜日なので Qちっぷの職場の所属部署は
半日勤務の早上がり
きっかりお昼に Qちっぷが帰ってきて
ドアを閉めて上着を掛け始めた その時
ちび子中尉の ただならぬ大きな鳴き声が聞こえてきた
駆けつけると 私のベッドルームで ゼイゼイしている
見るからに様子がおかしい
ちょうど一週間前の金曜日にも 突然様子がおかしくなったが
病院で取れる予約時間には Qちっぷが帰ってこられずに 職場で
電話カウンセリングだけ受けていた
その週末2日間 元気がなかったが
月曜にはもとに戻ったように見えたので 病院行きは見送っていた
その一週間後の 再度の急変だったので
病院に向かう中尉
すぐに病院に電話して 今回は1時間後の救急予約が取れた
診察してもらうも どこが悪いのかが判らない
レントゲンや血液検査をしますか ということだったので
即お願いすると その前に費用の見積書を持ってくるから、と言う
まどろっこしいが しばらく待って 見せられた見積もりによると
700ドルくらい けっこうかかる
それでも緊急なんだからと すぐに取りかかってもらった
待つこと 小一時間 レントゲン写真を私たちに見せるべく
タブレットと共に 医師が診察室に入ってきて説明し始めた
原因は判らないが(またもや!)
「お腹のここにガスが溜まっていて、
こっちの塊は便か異物かのどちらか」
「ここが腸で 納まり方が正常でないように見える」
とかなんとか 長々と説明する
あとは 医学用語を早口でガンガン使われて ついていけない
Qちっぷでさえ 時々質問しながら聞いている
そもそも 以前、2年ほど前までいた医師がいなくなっていて
インターンかと間違えそうなほど 若く
しかも チャイナ系の(女性というよりは)女子医師で
診断が下せず 自分の頭の中で探りながら話しているような印象である
それでも 態度だけはいっぱしで
結局 きりりと 選択肢は 三つあると言う
① 週明けまで様子を見て その後どうするか決める
この場合 (今週末は月曜が祝日で余分に1日長いので)
3日の間に容態が悪化して 致命的な状況になる可能性が50%
② 週末をこのまま過ごす危険を避けるためにも
今からすぐ開腹手術で ガスと異物を取り除く
この場合 手術中の麻酔にかかっている間
中尉の肥満のせいで 心臓に過度な負担がかかり
手術に耐えられない危険性が20%
③ 安楽死をさせる
一般的な会話ではこれ put her(中尉のこと) down と言うが
Euthanasia と 難しい言い方をされて
一瞬 意味が分からなかったが
Qちっぷの反応を見て 何のことかすぐに想像がついた
選択肢に安楽死を入れるなんて、と
この時はむちゃくちゃ腹が立ったが
後に 手術費用を聞いて
ああ この額が払えなくて 処置しないか
安楽死を選ぶ飼い主もいるんだ
と気付き それを思うと もの凄く やるせなくなった
施術日にポンと2800ドルだもん
(1カナダドル80円前後として日本円で約22万)
この中には 先の検査費用は含まれているが
手術後の入院が 1日でも必要になった場合
また別に5〜600ドルの費用が必要になる
3年前 友達一家の猫(12歳くらいだった)が 高齢による重病で
手術後の寿命が そう延びる期待も出来ず
高い費用も出せない と この道を選んだ
Qちっぷは 医師の説明後に持ってこられた見積書を見ながら
「手術しかないよな けど 夏休みの旅行費用がこれで無くなるよ」
とか 泣きっ面でブツブツ言っている
私は また腹が立って
「費用は出せるんだから手術でしょうよ!
旅行なんざ構わんだろーがっ!」
と鼻水すすりあげながら 声を絞り出した
Qちっぷは やっと腹をくくったようで
「よし 手術してもらおうね 旅行はもういらないよね」
まだ旅行とか言ってやがる と思ったが こらえて
私たちの意向を聞きに戻ってきた スタッフに ゴーサインを出す
午後3時過ぎ 中尉を手術部屋へ見送り
手術が終わる6時頃まで 一旦家へ戻って待つが
何も手に付かない 今までで一番長い3時間だった
予定通り6時に 手術が終わり麻酔から覚め始めたと電話があり
中尉は 無事だった!
すぐに病院へダッシュで駆けつけ説明を受ける
今度は別の医師が出てきて(ベテランそうな医師で安心した)
結局 レントゲンに写っていたのはガスと便(所謂宿便か?)で
自然には排泄できない状態になっていたので取り除いたとのこと
それと 原因不明だが
内蔵には それを包む膜があって その膜に 何カ所も内出血があり
これはそのまま回復を待つしかないそう
飼ってる環境を思い起こして 原因を探る手がかりがないか
色々相談したが まるで該当する事が無い 不気味である
想定内だが その医師によると
今夜一晩は 病院の監視下に置きなさいとのことで
この連休中でも 緊急当番で引き受けてくれる病院を探しておいてくれた
場所もそう離れていない
その足でそちらの病院へ 引き取ったばかりの中尉を連れて行った
まだ麻酔で朦朧としている 中尉
私も動揺していて 撮った顔がブレている
たどり着いた緊急当番病院の診察室
ここで 最初の病院で受け取った点滴をつないでもらい
瞳孔がまだ開いたままのちび子
壁備え付けの 大きめな個別ケージに移し
後は 当直の医師とスタッフのかたに託して 帰途についた
明日は 朝6時半 当直の交代前までに 中尉を引き取りに来る段取りだ
一夜明けて 一昨日の朝
病院のケージの中では まだぼんやりしていたが
家に帰ってきて ひと眠りし
午後には 補助板を伝って自力で猫ホームに落ち着いた中尉
術後まだ24時間も経っていないが
立って よたよたと歩くことは出来る
この連休中の間 容態が変わったりしたら
昨日の当番病院で すぐに受け付けてくれるというので
気持ち的にもずいぶん楽だった
餌と一緒に摂った痛み止めが効いているのか
いつもとは全く別種類の ぐだーっ状態
これは 昨日の夜
帰ってきて以来 ここが中尉の主な居場所になった
舐めて開腹した傷口を開けないように
首に取り付けるカバー
(Qちっぷはコーンと呼んでいる)を退院時に付けられたが
帰路の車内と 帰宅した後も パニックを起こしている様子が続いた
外してあげて一日 目を離さずにいたら
大丈夫そうなので そのままでいる
でも 普通に顔がお腹に届く 標準体型の猫ちゃんの場合は
カバーは付けてあげた方がいいと思う
帰ってきて ふた晩過ごした 今日の早朝
ちび子中尉の いつもの動き方が少しずつ戻ってきている
これを書いている今も
机の足元に置いた 猫ベッドにおあす 我が家のお猫さま
これをアップしたら 晩ご飯タイムですぞ
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